この記事を読んで下さっている方は、大なり小なりこの時期特有の症状をお持ちだったり、予防や対策に薬を頼るという人も多いはず。怠くなったり、眠くなったり、ちょっと大変ですよね。 そもそも、花粉症とはいったいどんなものでしょうか。今一度花粉症について詳しく見ていきます。
◎花粉症って何?
花粉症とは、粘膜に付着した植物の花粉に対する免疫反応によって、鼻水やかゆみなどの症状が引き起こされることを言います。花粉症は「季節性アレルギー性鼻炎」とも呼ばれ、2月後半からはスギ、3月後半からはヒノキによるものが増え始めます。春の花粉が代表的ですが、夏にはシラカバ等、秋にはブタクサ等による花粉症を発症する場合もあるので、季節性といえども複数の花粉に反応する状態だとほぼ一年中症状に悩まされることになります。
◎どうして花粉症になるの?
花粉症を発症する人は、遺伝的にアレルギー体質であることが主な原因であるとされています。しかし、それ以外にも原因はあるようです。
まず、一般的に上げられるのが食生活。高齢者には比較的花粉症の方が少ないとされており、その理由として、今と比べて加工食品などを食べずに育ってきたことが考えられています。
また、睡眠不足や不規則な生活、ストレスによって自律神経が乱れると、免疫力が低下するため、免疫反応の一種である花粉症の症状が重くなるとも言われています。
食生活を見直し、規則正しい生活を心がけるだけでも、花粉症は楽になるかもしれません。
◎花粉症の対策は?
これまでに花粉症が発症していない人であっても、ある日突然発症するということはあり得ます。花粉が飛ぶ時期には誰でも対策が必要です。
一番の対策は「とにかく花粉に触れないこと」。外出時にはマスクや眼鏡、帽子などで顔を鼻や目などの粘膜を守り、帰宅時にはうがいや洗顔を忘れずに行いましょう。
今月の身体の話「アレルギー対策には腸内環境!」
免疫反応であるアレルギー症状は、腸内環境と密接に関係しています。症状を和らげたいけれどあまりに薬にばかり頼るのも……という方は、ぜひ腸内環境の改善を心がけてみてください!
◎免疫力の7割は腸で決まる!
腸内には身体全体の7割に相当する量の免疫細胞が存在しています。
また、人間は口から食べ物を摂取していますが、実際に栄養分や水分を体内に取り入れるのは腸の役割です。加えて、人間が摂取するものの中には細菌や有害物質も混ざっていますので、それらに対する処理も行っています。鼻水やくしゃみといった反応で防ぎきれず体内に入り込んだ有害物質の処理は、最終的には腸の仕事になるのです。だからこそ腸に免疫細胞が集中しています。
◎腸内環境を意識した食生活を
腸内環境を良くして腸に元気に働いてもらうためには、腸内環境を悪化させる食べ物を極力とらないようにすることが大切です。
例えば、
①肉や砂糖は摂りすぎると腸内の悪玉菌が増える原因になります。
②小麦ばかり食べていると便秘の原因になります。
③加工食品を食べすぎるとそこに含まれている添加物によって腸内環境が乱れるリスクが高まります。
腸内環境を改善するためには、これらの食べ物の食べすぎには注意しましょう。
不利益をもたらす食べ物のコントロールができるようになったら、今度は更に利益をもたらす食べ物を取り入れていきましょう。
腸内環境を整えてくれる腸内細菌を「善玉菌」といい、腸内に善玉菌が多い状態が理想とされています。善玉菌を増やすためには、食物繊維が豊富な食事をとることがおすすめです。
◎食物繊維でおなかの調子を整えよう
食物繊維は「ヒトの消化酵素で分解されない食べ物の総体」と定義されています。より簡単にいえば、小腸で消化・吸収されず、そのまま大腸に届けられる成分が食物繊維です。
食物繊維は小腸で吸収されないため、その他の栄養素のように活動エネルギーにはなりません。代わりに腸内の善玉菌のエサになったり、便の排出を促して便秘の解消を手伝ったりといった役割を果たして腸内環境の改善に役立ちます。
食物繊維を効率的に摂取するためには、植物性の食べ物を食べるのが効果的です。具体的には、野菜・玄米・きのこ類・海藻類などが代表的です。
主食を白米から玄米や雑穀米に変える、みそ汁やスープを作るときは具沢山にするなどして、一日の食事で摂取する食物繊維の量を増やしていきましょう!
花粉症のように、毎年決まってやってくるアレルギー症状はつらいもの。薬を飲むのも大切なことですが、それに加えて日々の生活の工夫でも少しずつ症状を和らげていきたいですね。
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